45歳からの脳疲労とAGEs:見過ごせない老化のサインとその対策

はじめに:疲れやすい、集中力が続かない…それ、脳の「焦げ付き」が原因かも?

45歳を過ぎると、「なんだか疲れやすい」「集中力が続かない」「以前より物忘れが気になる」といった、いわゆる脳疲労の症状を感じやすくなります。これらの症状、実は体内の「焦げ付き」、つまり**AGEs(終末糖化産物)**の蓄積が関係しているかもしれません。AGEsとは、体内のタンパク質が余分な糖と結合して変性した物質で、老化を促進する要因の一つとして注目されています。

1. AGEs(終末糖化産物)とは何か?そのメカニズム

AGEs(エージス、またはエイジス)とは、**「終末糖化産物」**の略称で、体内のタンパク質が過剰な糖と結びついて変性した物質です。この反応を「糖化反応」と呼びます。

糖化のメカニズム: 体内に余分な糖が存在すると、タンパク質や脂肪と結合し、AGEsが生成されます。

AGEsの蓄積: AGEsは加齢とともに体内に蓄積し、さまざまな不調を引き起こすと考えられています。AGEsは、体内で作られるだけでなく、食品からも摂取されます。

食品由来のAGEs: 高温で調理された食品(揚げ物、焼き物など)にはAGEsが多く含まれます。

AGEsのイメージ: AGEsは、パンをトースターで焼きすぎた時の焦げ付きのように、体内のタンパク質が「焦げ付いた」状態と考えると分かりやすいでしょう。

AGEsの蓄積と老化: AGEsは、いわばタンパク質が劣化して機能が損なわれた成れの果ての物質で、加齢と共にAGEが溜まりますが、その蓄積度には個人差があり、蓄積が多いと老化が進みやすいと考えられています。

2. 脳疲労とAGEsの密接な関係

脳は、身体の司令塔として重要な役割を果たしています。脳の機能が低下すると、疲労感、集中力低下、記憶力低下などの症状が現れます。

脳内のAGEs: 脳内のタンパク質がAGE化すると、神経細胞がダメージを受け、脳の機能低下につながります。

アルツハイマー病との関連性: 脳内のAGEsの蓄積は、アルツハイマー病などの認知症を引き起こす可能性も指摘されています。AGEsは、脳内のタンパク質を変質させ、βアミロイドという物質を生成しやすくします。このβアミロイドが蓄積すると、神経細胞が死滅し、アルツハイマー型認知症を引き起こす可能性があります。

腸内環境とAGEs: 最近の研究では、腸内環境の悪化がAGEsの蓄積を促進し、脳の老化にも影響を与える可能性が示唆されています。腸内細菌叢のバランスが崩れると、AGEsの産生が促進され、脳の機能低下につながる可能性があります。

リーキーガット: 老齢マウスの研究では、腸管バリア機能が傷害される(リーキーガット)と、AGEsが血流に漏出しやすくなり、脳内のミクログリア(免疫細胞)にダメージを与えることが示されています。

3. AGEsが引き起こすその他の体の不調

AGEsは、脳だけでなく、全身の様々な組織や臓器に影響を与えます。

肌の老化: 肌のコラーゲンがAGE化すると、弾力が失われ、シワ、たるみ、シミ、くすみなどの原因になります。

血管の老化: 血管のコラーゲンがAGE化すると、血管が硬くなり、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めます。

骨の老化: 骨のコラーゲンがAGE化すると、骨がもろくなり、骨粗しょう症の原因となります。

目の老化: 水晶体のタンパク質がAGE化すると、白内障を引き起こす可能性があります.

その他: メタボリックシンドローム、糖尿病合併症、脂肪肝など、全身の様々な疾患に関与していると考えられています。

4. あなたのAGEsレベルをチェック!

体内のAGEsの蓄積度は、専門の医療機関で簡単に測定できます。

AGEリーダー・AGEスキャナー: 皮膚の自家蛍光量を測定することで、体内のAGEs量を推定できます。

測定のメリット: 自分のAGEsレベルを知ることで、生活習慣を見直す動機づけになり、効果的な対策を立てることができます。

当薬局でのご相談: 当薬局でも、AGEsに関するご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

5. AGEsを増やしてしまうNG習慣

AGEsの蓄積には、日々の生活習慣が大きく関わっています。以下の習慣は、AGEsを増やしてしまう可能性があります。

食生活:

高GI食品の摂取: 白米、パン、うどんなどの高GI食品は、血糖値を急上昇させ、AGEsの生成を促進します。

精製された食品や加工食品の摂取: 精製された食品や加工食品は、AGEsの元となる糖を多く含んでいます。

AGEsを多く含む食品: 揚げ物、焼き物、ベーコン、フランクフルトソーセージなど、高温で調理された食品にはAGEsが多く含まれます。

甘い物の摂りすぎ: 甘いお菓子やジュースなどの糖分は、AGEsの主な原因となります。

早食い、ドカ食い: 食事の時間が不規則だったり、早食いをすると、血糖値が急上昇しやすくなります。

生活習慣:

睡眠不足: 睡眠不足は、AGEsの蓄積を促進し、肌の再生を妨げます。

運動不足: 運動不足は、血糖値を上昇させ、AGEsの生成を促進します。

ストレス: ストレスは、ホルモンバランスを乱し、AGEsの生成を促進します。

喫煙: 喫煙は、ビタミンCを破壊し、AGEsの蓄積を促進します。

過度の飲酒: アルコールは、AGEsの代謝物生成を促します。

6. AGEsを減らすための7つの習慣

AGEsの蓄積を抑えるためには、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。

食事:

低GI食品を選ぶ: 玄米、全粒粉パン、そばなど、低GI食品を選びましょう。

食べる順番を工夫: 食物繊維を多く含む野菜やきのこ類を先に食べ、最後に炭水化物を食べることで、血糖値の急上昇を抑えられます。

ネバネバ食品をプラス: 納豆、オクラ、山芋などのネバネバ食品は、糖の吸収を穏やかにします。

抗糖化作用のある食品: ビタミンC、カテキン、鉄分、αリポ酸など、抗糖化作用のある栄養素を積極的に摂りましょう。

発酵食品: 納豆、味噌、ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内環境を整え、AGEsの蓄積を抑えます。

調理法を工夫: 揚げ物や焼き物を避け、蒸す、茹でる、電子レンジ調理など、AGEsの生成を抑える調理法を選びましょう。

ブロッコリースプラウト: スルフォラファンという成分がAGEsを抑制する効果があるため、積極的に摂取すると良いでしょう。

生活習慣:

質の良い睡眠: 毎日6時間以上の睡眠を確保し、体内時計を整えましょう。

適度な運動: ウォーキングなどの軽い運動を習慣化し、ブドウ糖を消費しましょう。

ストレス解消: 自分なりのストレス解消法を見つけ、リラックスする時間を作りましょう。

禁煙・節酒: 喫煙と過度の飲酒は、AGEsの蓄積を促進するため、控えましょう。

7. 漢方で脳疲労とAGEs対策

漢方医学では、体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを重視します。

体質に合わせた漢方薬: 漢方薬は、個々の体質や症状に合わせて処方することで、脳疲労やAGEsによる不調を改善する効果が期待できます。

生活習慣のアドバイス: 漢方薬の服用と並行して、食事や生活習慣に関するアドバイスも行います。

当薬局にご相談を: 脳疲労やAGEsに関するお悩みをお持ちの方は、お気軽に当薬局にご相談ください。

8. まとめ:今日から始める、未来の健康投資

AGEsは、私たちの健康と美容に大きな影響を与える物質です。

早期対策の重要性: AGEsの蓄積は、早めの対策で抑えることができます。

生活習慣の見直し: まずは、日々の生活習慣を見直し、AGEsを増やさない生活を心がけましょう。

漢方薬の活用: 必要に応じて、漢方薬を服用することで、より効果的な対策が期待できます。

健康寿命を延ばす: AGEs対策は、健康寿命を延ばすための重要な投資です。

このブログ記事が、あなたの健康的な生活の一助となれば幸いです。

漢方の緑ヶ丘薬局

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