45歳以上で冬便秘が治らない? 脳疲労と冬バテが原因かも!漢方薬剤師が徹底解説

はじめに:冬の便秘、それは脳疲労と冬バテのサインかも
「最近、どうも便秘がちで…」
特に45歳以上の方で、冬になると便秘が悪化するという経験はありませんか?
気温が下がる冬は、体調を崩しやすく、便秘もその一つです。
しかし、その便秘、もしかしたら単なる冬のせいではないかもしれません。
**「脳疲労」と「冬バテ」**が深く関わっている可能性があるのです。
この記事では、漢方薬剤師の視点から、冬の便秘の原因となる「脳疲労」と「冬バテ」について詳しく解説し、その対策と改善策をご紹介します。
1. 冬に便秘が悪化する原因とは?
冬は、気温の低下により身体が冷えやすく、自律神経のバランスが乱れやすい季節です。自律神経は、消化器官の働きをコントロールしているため、そのバランスが崩れると便秘を引き起こす可能性があります。さらに、冬は活動量が減少し、運動不足になりやすいことも便秘を悪化させる要因の一つです。
2. 冬バテとは?夏バテとの違い
「冬バテ」という言葉を聞いたことがありますか?夏バテはよく知られていますが、冬にも同じように体調を崩すことがあります。
冬バテは、寒暖差や生活習慣の乱れなどが原因で起こります.具体的には、以下のような要因が挙げられます。
寒暖差:外の寒さと室内の暖房による急激な温度変化は、自律神経の乱れを引き起こします。
運動不足:寒さのため、外出を控えることが多くなり、運動不足になりがちです。
偏った食事:暖かい食事を好むあまり、栄養バランスが偏ることがあります。
睡眠不足:年末年始のイベントや寒さで、睡眠の質が低下することがあります。
ストレス:仕事や家庭でのストレスも、冬バテの一因となります。
夏バテは、高温多湿の環境下で体力が消耗し、食欲不振や倦怠感を引き起こすことが多いのに対し、冬バテは、寒さや生活習慣の乱れが原因で体調不良になるという違いがあります。
3. 脳疲労が便秘を引き起こすメカニズム
現代社会では、スマホやパソコンの使用、情報過多などにより、脳が常に疲労状態にある人が少なくありません。脳疲労は、自律神経のバランスを乱し、腸の蠕動運動を低下させることで、便秘を引き起こすと考えられます。
4. 脳疲労と冬バテが重なると便秘はさらに悪化する
冬バテによって自律神経が乱れ、さらに脳疲労が加わることで、腸の機能はさらに低下し、便秘が悪化しやすくなります。この状態が続くと、便秘だけでなく、倦怠感や頭痛、不眠などの様々な不調を引き起こす可能性があります。
5. 冬バテと脳疲労からくる便秘の症状
冬バテと脳疲労による便秘は、以下のような症状を伴うことがあります。
便秘がちになる、または便が硬くなる
お腹の張りや不快感
食欲不振
疲れやすい、だるい
イライラしやすい
頭痛やめまい
不眠
これらの症状が複数当てはまる場合は、冬バテと脳疲労による便秘の可能性が高いかもしれません。
6. 漢方医学からみた冬の便秘の原因
漢方医学では、便秘の原因を「気」「血」「水」のバランスの乱れと捉えます。
冬は、寒さによって身体が冷え、「気」の巡りが悪くなり、血行不良を引き起こしやすいため、便秘になりやすいと考えられます。
また、水分代謝が悪くなることで、体内に余分な水分が溜まり、それが便秘を悪化させることもあります。
7. 冬バテと脳疲労による便秘を改善する漢方薬
漢方薬は、個人の体質や症状に合わせて処方されます。以下は、冬バテと脳疲労による便秘に用いられる代表的な漢方薬です。
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう):腸の蠕動運動を促進し、便を排出する効果が期待できます。
麻子仁丸(ましにんがん):腸を潤し、便を柔らかくする効果が期待できます。
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう):冷えによる腹痛を伴う便秘に用いられます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血行を促進し、体を温める効果が期待できます。
これらの漢方薬は、あくまで一例です。漢方薬を選ぶ際には、必ず専門家(漢方薬剤師)に相談し、自分の体質や症状に合ったものを選ぶようにしましょう。
8. 冬バテ・脳疲労解消のための生活習慣
漢方薬だけでなく、生活習慣の見直しも重要です。
身体を温める:入浴や温かい飲み物で身体を温め、冷え対策をしましょう。
適度な運動:ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にしましょう。
バランスの取れた食事:温かい食事を基本とし、食物繊維や発酵食品を積極的に摂りましょう。
質の良い睡眠:毎日同じ時間に寝起きし、睡眠時間をしっかり確保しましょう。
ストレス解消:趣味やリラックスできる時間を持ち、ストレスを溜めないようにしましょう。
デジタルデトックス:就寝前はスマホやパソコンの使用を控え、脳を休ませる時間を作りましょう。
9. 専門家への相談
便秘がなかなか改善しない場合は、自己判断せず、専門家(医師や漢方薬剤師)に相談することをおすすめします。原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
10. まとめ:冬の便秘は放置せずに早めの対策を
冬の便秘は、単なる体調不良ではなく、脳疲労や冬バテが深く関わっている可能性があります。
放置せずに、生活習慣の見直しや漢方薬の服用など、早めの対策を心がけましょう。
この記事が、あなたの便秘解消のお役に立てれば幸いです。
漢方の緑ヶ丘薬局
薬剤師 神谷 繁
薬剤師名簿登録番号
第221780号