脳疲労に漢方でできること|自律神経・睡眠・血流の視点から

「病院に行っても異常なし。でも、毎日だるくて頭がぼーっとする」

「十分に寝ているはずなのに、朝から疲れている」

そういう状態が続いているのに、手がかりが見つからない——そんな方に読んでいただきたい記事です。

漢方では、症状の名前だけを見るのではなく、体の中で何が滞っているかを確認することを大切にしています。

脳疲労に関係しやすい「自律神経」「睡眠」「血流」の3つを軸に、さらに見落とされやすい**悪玉活性酸素(体のサビ)**の視点も加えながら、漢方相談でどんなことを確認するのかをお伝えします。

この記事の要点

・漢方では、脳疲労を「気・血・水のバランスの乱れ」として体全体から確認します

・自律神経・睡眠・血流の3つは、脳のエネルギー回復に深く関わっています

・悪玉活性酸素(体のサビ)が血管を傷つけ、脳への血流を滞らせることで、脳疲労が慢性化することがあります

・漢方薬・漢方食品・食事・生活習慣をあわせた整え方を提案します

・「すぐ治る」「必ず効く」とはお伝えできませんが、体の状態を整える方向で一緒に考えます

・伊丹市の漢方の緑ヶ丘薬局では、電話・LINEでご相談いただけます

どんな症状・悩みか

このページは、次のような状態が続いている方に向けています。

・頭がぼーっとして、集中力が続かない

・寝ても疲れが取れず、朝から体が重い

・やる気が出ない、気力がわかない

・ストレスが続いており、体と心の両方が疲れている

・病院では「自律神経の乱れ」「ストレス」と言われたが、具体的な対策がわからない

・漢方に興味があるが、自分に合うかどうかわからず不安

漢方の視点から「脳疲労」を考える

漢方における「気・血・水」とは

漢方医学では、体の中を「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素が巡っていると考えます。

気(き):体を動かすエネルギーのようなもの。気力・体力・臓器の働きを支えます

血(けつ):血液に相当するもので、体全体に栄養と潤いを届けます

水(すい):体液全般を指し、体の潤いと老廃物の排出に関わります

脳疲労の状態では、これらのうちひとつ、あるいは複数がうまく巡っていないことがあると漢方では考えます。

たとえば——

気が不足・滞っている:疲れやすい、やる気が出ない、消化が弱い

血が不足・滞っている:頭がぼーっとする、肩こり、冷え、眠れない

水が滞っている:頭重感、むくみ、だるさ、胃腸の不調

これらは検査数値では見えにくいため、「病院では異常なし」と言われても体の不調が続くことがあります。

漢方相談では、こうした体の中の「巡りの状態」を一緒に確認していきます。

脳疲労と「体のサビ(悪玉活性酸素)」の関係

漢方の「気・血・水」の乱れに加えて、見落とされやすいのが**悪玉活性酸素(体のサビ)**の問題です。

体のサビとは何か

私たちの体の細胞は、活性酸素という物質によって常に「サビ(酸化)」が進行しています。

人の体が酸化されると、鉄が酸化された時と同じように「サビ」ができます。

鉄が「サビ」るともろく崩れやすくなるように、人の体も「サビ」てしまいます。

老化の進行・生活習慣病・動脈硬化なども、血管内皮細胞の酸化から始まります。

善玉と悪玉の2種類がある

活性酸素には「善玉」と「悪玉」の2種類があります。

善玉活性酸素は、体内のウイルスや病原体を撃退するなどの大切な働きをしてくれます。

外部から入り込んだ細菌・カビ・微生物等を殺菌・除去する役割を持っており、神経伝達や血管新生、免疫力向上等で生命維持に必要とされています。

悪玉活性酸素は、健康な細胞を傷つける強い酸化力を持ちます。

正常な細胞の遺伝子を破壊し、細胞を「サビ」させ、老化・免疫低下・病気を促進させてしまいます。

病気の原因の9割は、この悪玉活性酸素の影響とも言われています。

活性酸素が体内で増え過ぎると、DNAや脂質、たんぱく質、酵素などを攻撃して酸化させます。

その結果として、脂質の過酸化・DNA変異・たんぱく質の変性・酵素の失活などの分子レベルの損傷があちこちで起こり、体内の細胞の老化が進んでしまいます。

悪玉活性酸素が脳疲労を長引かせる仕組み

悪玉活性酸素が増えすぎると、特に次のルートで脳疲労が慢性化しやすくなります。

血管内皮の酸化 → 血流の滞り

悪玉活性酸素が血管の内壁を傷つけると、血液が流れにくくなります。

「血流」の節でも後述しますが、脳への酸素・栄養の供給が減り、頭がぼーっとした状態が続きやすくなります。

ミトコンドリアの損傷 → 脳のエネルギー不足

細胞のエネルギー工場(ミトコンドリア)が悪玉活性酸素に傷つけられると、脳のエネルギー(ATP)産生が落ちます。

「気が不足している」という漢方の状態と、このミトコンドリアの機能低下は深く重なっています。

抗酸化力の低下 → サビが蓄積しやすい状態に

体には悪玉活性酸素を除去する抗酸化酵素がもともと備わっています。

しかし、その抗酸化酵素を動かすためのミネラル(亜鉛・銅・セレン・マンガン)が不足すると、サビがどんどん蓄積していきます。

漢方の緑ヶ丘薬局では、この「体のサビ(酸化)」の状態を、「気・血・水」の乱れと並ぶ重要な確認視点として大切にしています。

悪玉活性酸素が増えやすい状況

外からの酸化(外部ストレス)

・紫外線・大気汚染・食品添加物・花粉・黄砂

内からの酸化(内部ストレス)

・強い精神的ストレス(仕事・人間関係・過労)

・喫煙・アルコールの過剰摂取

・食後の血糖値の急上昇

脳疲労と「自律神経」の関係

自律神経とは

自律神経とは、心拍・呼吸・消化・体温調節など、意識しなくても体が働き続けるための神経のことです。

「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(休息モード)」の2種類があり、状況に応じてバランスをとりながら体を調整しています。

脳疲労と自律神経の関係

ストレスや不規則な生活が続くと、交感神経が優位な状態(緊張・興奮モード)が長引きます。

すると、副交感神経への切り替えがうまくいかず、夜になっても体と脳がうまく休めない状態が続くことがあります。

その結果——

・寝つきが悪い

・眠っても浅く、夢ばかり見る

・朝起きた時点ですでに疲れている

といった状態が生じやすくなります。

なお、慢性的なストレスは悪玉活性酸素を増やす内部ストレスでもあります。

「自律神経が乱れている」状態は、同時に体のサビを進める状況でもあるという点も、漢方相談では確認します。

漢方相談で確認すること

・緊張しやすいか、リラックスが難しいか

・動悸・息苦しさ・手汗などが出やすいか

・食欲の波が大きいか、食後に眠くなりやすいか

・気候や気圧の変化で体調が変わりやすいか

脳疲労と「睡眠」の関係

睡眠中に脳は何をしているか

眠っている間、脳は活発に「メンテナンス」を行っています。

記憶の整理・老廃物の排出・神経細胞の修復などが、主に深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間帯に行われると考えられています。

睡眠時間が確保されていても、深い睡眠の割合が少ない場合は、このメンテナンスが十分に行われません。

「十分寝たのに疲れが取れない」という状態は、睡眠の「量」ではなく「質」の問題である可能性があります。

また、睡眠中にはミトコンドリアの修復・再生も行われます。

悪玉活性酸素によって傷ついたミトコンドリアが回復するためにも、深い睡眠の確保が不可欠です。

睡眠の質を下げる要因

・就寝前のスマートフォンやパソコンの使用

・夜遅い食事や飲酒

・寝室の温度・光・騒音

・ストレスや不安による思考の活発化

・体の冷えや痛み

漢方相談で確認すること

・寝つきはどうか(布団に入ってから眠れるまでの時間)

・夜中に目が覚めるか、その後また眠れるか

・夢をよく見るか

・起床後の体の感覚(すっきり感・重だるさ)

・入眠前の習慣と寝室の環境

脳疲労と「血流」の関係

血流と脳のエネルギー

脳は体重の約2%の重さしかありませんが、体全体が消費するエネルギーの約20%を使っています。

そのエネルギーは、血液を通じて運ばれる酸素と栄養によって供給されています。

血流が滞ると、脳への酸素・栄養の供給が減り、頭がぼーっとしたり、集中力が低下したりすることがあります。

ここで重要なのが、悪玉活性酸素と血流の関係です。

悪玉活性酸素が血管内皮細胞(血管の内壁)を酸化・損傷させると、血液が流れにくくなります。

これが脳への血流低下を引き起こし、「血が不足・滞っている」という漢方の状態とつながっています。

血流が滞りやすい状態

・冷えがある(手足・お腹・腰など)

・長時間同じ姿勢(デスクワーク・スマートフォン操作)

・運動不足

・肩こり・首こりが続いている

・水分の摂取が少ない

・悪玉活性酸素の蓄積による血管内皮の損傷

漢方相談で確認すること

・冷えの部位と程度(手先・足先・下半身・全体的など)

・肩こり・首こり・頭重感の有無

顔色(青白い・赤ら顔・くすみなど)

・爪の色・形の状態

・月経がある方は、周期・量・色・血塊の有無

体のサビを整える食事の視点

悪玉活性酸素を除去する力を高めるために、毎日の食事で摂りたい栄養素があります。

抗酸化ビタミンの連鎖(A→E→Cの順に活性酸素を中和)

ビタミン

多く含む食品

ビタミンA(β-カロテン)

にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・レバー・うなぎ

ビタミンE

アーモンド・かぼちゃ・うなぎ・落花生

ビタミンC

赤ピーマン・キウイ・ブロッコリー・柿・レモン

抗酸化酵素を動かすミネラル

ミネラル

多く含む食品

亜鉛

牡蠣・牛肉・豚肉・うなぎ

牡蠣・牛レバー・ナッツ類

セレン

マグロ・ホタテ・しらす

マンガン

栗・玄米・そば・アーモンド

たんぱく質(抗酸化酵素の主成分):卵・豆腐・納豆・魚・鶏肉を毎食に少量ずつ取り入れましょう。

漢方の緑ヶ丘薬局の漢方相談で確認すること

漢方の緑ヶ丘薬局では、「自律神経」「睡眠」「血流」の3つを切り口に、体全体の状態を確認します。

加えて、体のサビ(悪玉活性酸素)の状態もあわせて確認します。

以下もあわせてお聞きします。

・食事の内容と消化の状態:何を食べているか、胃もたれ・食欲不振はないか。抗酸化ビタミン・ミネラルが摂れているか

・便通の状態:毎日出ているか、排便のリズムや状態

・ストレスと生活リズム:仕事・家庭・人間関係の状況、1日の時間の使い方

・服薬状況:現在飲んでいる薬・サプリメント・健康食品

「食べて、エネルギーを生み出して、排泄する」という体の基本的な流れが整っているかどうかも、脳疲労の状態を見る上で大切な視点です。

相談の内容をもとに、漢方薬・漢方食品・食事の見直し・生活習慣の調整を含めて、体の状態に合ったアドバイスをお伝えします。

服用中のお薬がある方は、必ずお薬手帳をご持参ください(LINEの場合はお薬の名前をお知らせください)。

自己判断で治療中の薬を中止しないでください。

注意したいケース

次のような症状がある場合は、漢方相談の前に医療機関を受診してください。

・急な強い頭痛が突然起きた

・ろれつが回らない、言葉が出てこない

・手足のしびれや急な脱力がある

・意識がぼんやりする

・発熱・体重の急激な変化が続いている

・気分の落ち込みが強く、日常生活に支障が出ている

これらは脳・神経・内科・精神科領域の専門的な診察が必要なサインです。

「疲れのせいだろう」と自己判断せず、まず医師へご相談ください。

自宅で見直せる生活習慣

起床・就寝時間を一定にする

毎日同じ時間に起き、同じ時間に眠ることが自律神経のリズムを整える基本です。

休日に「寝だめ」をすると、体内時計がずれて月曜日の朝がつらくなりやすくなります。

朝に太陽の光を浴びる

起床後15〜30分以内に自然光を浴びると、体内時計がリセットされます。

同時に、夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌準備が始まります。

悪玉活性酸素を増やす習慣を減らす

・スナック菓子・揚げ物の多い食事を控える

・喫煙している方は本数を減らす・禁煙を検討する

・就寝前のスマートフォン使用を控え、睡眠の質を確保する

・ストレスを受け流す時間(散歩・入浴・深呼吸)を意識してつくる

体を温める食事を意識する

冷たい飲み物・食べ物の多い食事は、胃腸の働きを低下させ、血流を滞らせることがあります。

温かいスープや根菜類(にんじん・ごぼう・れんこんなど)を取り入れ、体の内側から血流を整えましょう。

この症状、相談してもいいのかな?と思った方へ

漢方の緑ヶ丘薬局では、今の体調・食事・睡眠・便通・冷え・血流・ストレス・服薬状況などをお聞きしながら、体の状態を一緒に整理します。

「漢方に興味があるけど、自分に合うかわからない」

「何から相談すればいいかわからない」

そういう方でも大丈夫です。思い当たることをそのままお話しください。

お急ぎの方はお電話で。

症状を文章で送っておきたい方はLINEからご相談ください。

🈺(12:00〜16:00 / 定休:月曜・土曜・日曜)

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このページは「寝ても疲れが取れない・脳疲労」テーマの子ページです。

テーマ全体の概要・病院で確認すべきケースは、親ページをご覧ください。

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よくある質問

Q1. 漢方で自律神経の乱れを整えることはできますか?

漢方では、自律神経の乱れに関連するとされる体の状態(気の不足・気の滞り・血の不足など)を確認し、その状態に合ったアプローチを考えます。「自律神経が整う」と断言することはできませんが、体の状態を整えることを目的にご相談いただけます。

Q2. 「体のサビ(悪玉活性酸素)」は脳疲労と関係がありますか?

関係していることがあります。悪玉活性酸素が血管内皮を傷つけると脳への血流が低下し、ミトコンドリアを傷つけると脳のエネルギー産生が落ちます。これらが重なることで脳疲労が慢性化しやすくなります。漢方相談では、体のサビの状態もあわせて確認しています。

Q3. 睡眠薬を飲んでいますが、漢方相談できますか?

はい、ご相談いただけます。現在服用中のお薬がある方は、必ずお薬手帳をご持参ください(LINEの場合はお薬の名前をお知らせください)。自己判断で睡眠薬を中止しないでください。

Q4. 漢方薬の効果が出るまでどのくらいかかりますか?

体質や症状の状態によって個人差があります。「すぐ効く」「必ず治る」とはお伝えできませんが、体の状態の変化を確認しながら一緒に進めていきます。

Q5. 漢方は苦いですか?飲みにくくないですか?

漢方薬の種類によって味は異なります。顆粒・錠剤・煎じ薬など形状もさまざまです。飲みにくさが心配な方は、相談の際にお伝えください。

電話・LINE相談へのお問合せ方法

脳疲労の背景にある「自律神経の乱れ・睡眠の質・血流の滞り・体のサビ」——これらは、体全体の状態を確認しないと見えてきません。

漢方の緑ヶ丘薬局では、症状・食事・睡眠・便通・冷え・血流・ストレス・服薬状況をあわせて確認しながら、体の状態を一緒に整理します。

🈺(12:00〜16:00 / 定休:月曜・土曜・日曜)

LINEで相談される場合は、以下の内容をお送りください。

1. お名前

2. 年齢・性別

3. 一番困っている症状

4. いつから続いているか

5. 病院で検査を受けたか

6. 服用中の薬・サプリメント・健康食品

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参考にした情報源

漢方の緑ヶ丘薬局「からだがサビル(酸化)」(https://www.kanpou-yakkyoku.jp/sabiru/)

漢方の緑ヶ丘薬局 漢方相談の流れ(https://www.kanpou-yakkyoku.jp/kampo-soudan-flow/)

厚生労働省 e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)

厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)

厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所(https://hfnet.nibiohn.go.jp/)

日本東洋医学会「漢方の考え方」(https://www.jsom.or.jp/)

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この記事は

漢方の緑ヶ丘薬局 薬局長 薬剤師

(薬剤師名簿登録番号第221780号)

神谷繁

が監修しています。